THE 経営体制 「日本生命保険」 (日刊工業新聞より)

日銀の金融緩和政策で、国債の利回りがほぼ消滅するなか、生命保険各社は商品内容改定や運用方針の転換を強いられている。

業界トップの日本生命保険も同様だ。

新たな環境に対応するため、2015年度から17年度を対象にした中期経営計画を1年前倒しで終了。17年度から新中計を開始した。筒井義信社長(63)は「それほどマイナス金利のインパクトは大きかった」と語る。

 

新中計のカギとなるのが、商品開発と資産運用だ。そのうち商品開発を統括するのが田中聡取締役執行役員(55)。他社に先駆け新規性の高い商品を投入しており、16年には長寿社会に対応した保険「グランエイジ」を発売した。「想定より好調。特に50代に売れている」という。

資産運用を統括するのが、清水博取締役専務執行役員(56)。3月にストラクチャードファイナンス営業部を新設し、新規領域での投融資を加速している。特にESG(環境・社会・統治)債などに2000億円の投資を計画。逆風下で資産運用を任されたことについては「平時よりやりがいがある」と強気に笑う。

筒井社長は歴代社長の中で在任期間が長いほうではないが、前社長の岡本圀衞(くにえ)会長(72)も6年で退任しており、近く交代が起こっても不思議ではない。

同社の社長は専務から輩出されることが多い。現在の専務で有力と目されているのが前出の清水専務だ。商品企画や財務企画など主要部門を歴任し、年齢も56歳と脂が乗っている。にこやかな人柄で社内の求心力も強い。このほど取締役に昇格した三笠裕司常務執行役員(53)が本命と見る意見もある。新中計作成の中核を担い、筒井社長の懐刀として活躍してきた。業界関係者は「三笠氏が来年専務に上がったらそれが筒井社長の回答」と語る。

筒井社長は、次期社長の条件として「人柄・見識が重要」と笑顔でかわす。新中計達成に向け動きだした日本生命。次期社長を決めるレースもじわり速度を上げている。