高額医療 膨らむ単価

75歳以上が加入する後期高齢者医療制度を導入した2008年度から17年度までに、全国1741の市区町村のうち、半数の自治体で1人あたり医療費が10%以上増えたことが日本経済新聞の調査で分かったと報じられました。

 

1人あたり医療費は受診者や受診回数の増加、入院の長期化のほか高額な薬や治療で高くなります。

厚生労働省によると75歳以上の人口1人あたり医療費は年約92万2千円(17年度)で、75歳未満の21万7千円に比べ約4.3倍。

伸び率は08年度から1.11倍と全体の1.25倍を下回るものの、高齢者数が急増しており、総額の伸び率は1.47倍で全体の1.24倍を上回ります。

今後は団塊の世代が75歳以上となり、総額は急増する見込みです。

政府は75歳以上の窓口負担を一定以上の所得がある人は原則1割から2割に引き上げる方針ですが、医療費も適正にしなければ現役世代の負担は重く、支えきれなくなります。

 

日経新聞は制度を都道府県単位で運営する47の広域連合から市区町村別の1人あたり年間医療費データを入手。

合併などの影響を調整して分析したところ、全1741自治体で08年度から17年度までに10%以上増加したのは877自治体(50%)。

287自治体は20%以上増加していたことがわかりました。

 

10%未満を含め増加した自治体は1358自治体(78%)。減少は8%の143自治体のみでした。しかも、1割強の240自治体は08年度のデータを把握していませんでした。

 

厚労省によると17年度の総医療費は43兆1千億円で、75歳以上は4割の16兆1千億円を占めます。

全市区町村の75歳以上の1人あたり医療費を08年度以降の最低額を維持できていれば、17年度は1兆4千億円を節減できた計算になります。

 

17年度で1人あたり医療費の最高額は長崎市の約130万3千円。

病床数が多い北海道や西日本は高額で、病床数が少ない東北は低額となる傾向もみられました。

長崎市を含め7市が120万円を超えましたが最も低い新潟県十日町市(約64万4千円)など4市は70万円以下。

17年度の最大格差は約2.02倍と08年度の約1.92倍から広がりました。

 

予防医療が普及する長野県佐久市も約80万8千円と低く、健診の強化も抑制効果がありそうです。