金融庁が生保協会との意見交換会で提起した主な論点を公表

金融庁のホームページから、生保協会との意見交換会で金融庁が提起した主な論点が公表されています。

 

以下、その文章をそのまま転載します。

 

なかなか金融庁ホームページを閲覧することも無いと思いますので、ご確認下さい。

 

1.今事務年度のモニタリングについて
(保険・年金商品による資産形成について)

○ 長寿化に伴い、退職後の生活資金の確保は国民共通の課題であり、顧 客が自らのリスク許容度やライフプランに応じ、様々な金融商品から 適切な商品を選択することが重要である。
○ このような中、生命保険商品の中にも年金保険のように資産形成を 主たる目的とした商品がある。定額個人年金は、超長期の利回り保証と いうメリットに根強い支持があるとのことであるが、途中解約時の元 本割れ等により顧客にとっての流動性が制約されるほか、現在の低金 利環境を前提とした低い水準での利回りの固定といった、資産形成商 品として見たときのデメリットもある。外貨建て商品は、相対的に利回 りは高いが、流動性が制約されることに加え為替リスクも有している。
○ 変額年金は定額年金と比べると高い収益率を期待することもできる が、死亡時の保障といった様々な機能が付いている一方、保障に伴う諸 コストがかかる分だけ資産価格の上昇ほどには投資成果は得にくい。
○ 金融庁としては、家計の安定的な資産形成と顧客本位の業務運営の 推進の観点から、顧客が様々な金融商品の中から自身にとって有利な 選択を行う環境を作ることが重要であると考えている。
○ 生命保険会社各社においては、「顧客本位の業務運営に関する原則」 を採択し、これに沿った取組方針を公表しているものと承知している。 言うまでもなくこの原則はプリンシプルベースのアプローチを採って おり、各社に一律・形式的な対応を促すものではないが、顧客の主体的 な行動を促すために、
・ 原則2の「顧客の最善の利益の追求」の観点から、保険会社がいか なる商品を開発・提供していくことが望ましいのか、 ・ 原則5の「重要な情報の分かりやすい提供」の観点から、他の資産 形成商品との選択の関係でどのような情報提供があり得るのか、
・ 原則6の「顧客にふさわしいサービスの提供」の観点から、金融取 引に関する基本的な知識を得るための情報提供をどのように行う のか、
それらを通じて、自らが勧める商品を顧客にどこまで説明し納得して 買ってもらうか、考えてもらう必要がある。 一方、金融庁としても、こうした点について難しい課題だと認識し ており、今後も継続して対話をしていきたい。
(一般乗合代理店に対するインセンティブ報酬)

○ 「代理店手数料」については、昨事務年度のモニタリングで「質」と 「量」の両面で課題があることを把握し、金融レポートにおいて「イン センティブ報酬等も原資は保険契約者から預かった保険料であること を踏まえると、「質」・「量」ともに、顧客にきちんと説明できる合理的 なものとしていくことが重要である」と指摘した。
○ 今事務年度のモニタリングでは、その指摘に対して、保険会社がどの ような取組みを実施したのか、ヒアリングを通じて確認した。
○ その結果、例えば、「代理店の業務品質について評価を行い、代理店 手数料に反映させる手数料体系の構築を検討して見直しを実施する」 等、前向きに課題に取り組んでいる保険会社が見られた。
○ さらに、検討を進める中で、 ・ 比較推奨販売を歪める可能性が高い特定期間の特定商品の販売 量に基づいて手数料を支払うキャンペーンや、 ・ 販売量に応じたボーナスなどのインセンティブ報酬は、 顧客に合理的な説明ができないとして、多くの保険会社で見直しや 廃止がされたと聞いている。
○ 代理店手数料の原資が、保険契約者から預かった保険料であること を踏まえると、顧客に合理的に説明できることが重要である。また、上 記のとおり、販売量に応じたボーナスなどのように代理店手数料の多 寡で、顧客の意向把握や比較推奨を歪めることがないようにすること が必要である。その上で、従来の評価指標に加えて、丁寧な顧客対応やアフターフォローなどの役務やサービスの「質」をより的確に反映した 評価指標の検討を続け、不断の見直しを実施することが重要となる。

○ また、「顧客本位の業務運営に関する原則」にて採択している「重要 な情報のわかりやすい提供」を行うためにも、保険会社は、代理店手数 料をどのように代理店に支払っているのか、といった手数料の考え方 を顧客に開示し、合理的に説明を行っていくことが重要である。

○ この点については、一部の社では、顧客本位の業務運営の基本方針に ついての振返りの機会における見直しにあわせて、乗合代理店の代理 店手数料の支払いに関する考え方を記載していると聞いている。
○ 金融庁としては、金融機関代理店や一般の乗合代理店を通じた保険 販売等に関し、引き続き、各社の取組みについて実態把握と対話を行っ ていきたい。
(保険契約者に対する配当・還元)

○ 保険会社は、将来の経済的ショック等に備えるために十分な内部留 保を保有することが必要である。多くの生命保険会社においては、2008 年度にリーマンショックによる損失に対応するために内部留保を取り 崩し、その後、再び内部留保を蓄積してきたものと認識している。
○ 一方、有配当保険を販売している保険会社にあっては、公正な配当を 行う観点から、主として個人保険のリスクに備えて蓄積されている内 部留保と配当について、各社においてバランスを取っていくことが重 要となる。
○ その上で、各社の商品構成や保有する契約には差異があり、現状、こ のバランスの適切さを示す統一的な指標はないが、各社においては保 険契約者に向けた情報提供の充実の観点から更に工夫をしていくこと が重要である。
(資産運用・スチュワードシップ責任)

○ 保険会社の資産運用能力の向上は、自身の競争力強化にとって重要 であると同時に、国民の安定的な資産形成に資する観点から重要である。こうした観点から、生命保険会社の資産運用の高度化に関し、今事 務年度も重点的にモニタリングしてきたところである。
○ 生命保険会社では、国内において低金利環境が継続している中、外国 社債等の外国証券への投資を増加させる動きが継続している。米国金 利の上昇を受け、足元では、外国債券の含み益が減少していることに加 え、今後においても、金融資本市場の急な変動の影響に留意する必要が ある。
○ 金融庁としては、各生命保険会社において、自社の中長期的な運用戦 略を踏まえ、それに応じた運用態勢の整備及び市場変動に対する予兆 管理、ストレステスト等の適切なリスク管理態勢の向上が図られてい るか、引き続きしっかりと注視していきたい。
○ また、生命保険会社のスチュワードシップ責任についても、各社積極 的に取り組んでいるものと承知している。生命保険会社の中には、地域 銀行との対話のガイダンスを作成した上で、事前に対話のテーマごと に分析をして対話に臨むなど工夫もみられたところであるが、金融庁 としても、各生命保険会社が創意工夫をしながら引き続き対話の質の 向上を図ることを期待している。なお、6月の株主総会における議決権 行使なども含めた、生命保険会社による活動の状況について、引き続き フォローアップしていきたい。
以上です。

 

こうした論点があることを理解して代理店運営に役立てて行きましょう!