金融、進まぬ「顧客本位」

金融庁の金融審議会が、10月23日、個人の資産形成を促す政策の検討を再開したことが報じられました。

 

「老後に2千万円が必要」とした報告書が事実上の撤回を迫られたのを受け、議論を仕切り直すものです。

 

金融庁は、自社の利益を優先する金融機関の営業姿勢が、個人の資産形成が進まない一因とみており、指針の見直しや法整備で顧客重視の営業を徹底させたい考えだが、効果は不透明との指摘もあります。

株式や債券、投資信託などの金融商品は個人の資産形成に欠かせないが、預金金利はほぼゼロで、資産を長期で育てるには一定の投資が必要となります。

 

23日の会合は、新たな議題として金融機関が顧客の立場で商品販売や助言をする「顧客本位の業務運営」を実践できているかを取り上げることとしました。

 

投資信託など商品の説明が適切かどうかや販売手数料の透明性などについて点検し直すそうです。

 

顧客本位の運営については金融庁が17年に手数料の明確化など7項目の原則を示し、銀行や証券会社など1679社が採択しました。

 

だが金融庁の調査ではこの取り組みを顧客は3割しか知らず、商品購入の参考にしたのはこのうち2割でした。

 

生命保険協会によると、18年度は外貨建て保険・年金への苦情が6年前の4倍超に増えました。

 

金融審では顧客本位を徹底させるための規制や監督の見直しを検討します。

 

指針改正や関係法令の整備などが想定されます。

 

金融機関が顧客に応じた商品提案や助言をするよう監視を強めます。

 

良質な商品・サービスを提供する金融機関が顧客に選ばれる好循環をどう実現するかが課題となると報じていました。