老老医療 大都市圏に波及
高齢化が著しい日本で十分に医療を受けられないリスクが膨らむことが報じられました。
施設勤務医は18年までの10年間で14%増えました。
医師に定年がないことが主な要因ですが、年齢の内訳をみると、59歳以下はわずか5%しか増えていません。
医師も高齢化しているのです。
体力が衰えた高齢医師が、老いた患者を診る「老老医療」が増えています。
高齢医師の勤務時間は若い医師と比べると短くなります。
しかし社会全体の高齢化により、診察が必要な患者数は増えます。
そのため、日本経済新聞の分析によると、26年に後期高齢者1人にかけられる診療時間は、大都市圏で1週間に平均63分と16年より2割減る見込みです。
現状でも40分未満の過疎地域では、もっと短くなる見通しです。
医師の長時間労働や人繰りも心配です。
風邪を引いた時に時々行く診療所でも、待ち時間なしで診察してもらえたことがないほど、いつも混雑しています。
一人の診察が終わるとすぐに次の患者が呼び出され、いまでも時間の余裕がないことが伝わってきます。