生保解約、コロナで急増

中小企業の利用が多い経営者保険などを中心に生命保険の解約が増えていることが報じられました。

 

主要生保23社の4~6月の保険解約に伴う支払額は計1兆4千億円弱と前年同期比で約1千億円増えたそうです。

個人が利用する外貨建て保険でも解約が目立ち、新型コロナウイルス禍で企業や家計の収入が減り、保険の解約で手元にお金を確保しようとしていると分析していました。

 

日本、第一、明治安田、住友の大手4社とその傘下生保、中堅、外資系や損保系の生保23社の4~6月の解約返戻金を集計した結果、12社で解約返戻金が増えたそうです。

 

生保各社はコロナ禍に伴い、保険料の支払い猶予や無利子融資を実施し、実績はそれぞれ約23万件、同5千億円(いずれも7月末時点)にのぼりましたが、こうした解約防止策にもかかわらず、解約が増えたことになります。

 

解約が特に増えたのは経営者向けの保険を扱う生保で、ネオファースト生命保険の4~6月の解約返戻金は前年同期比約8倍の23億円となり、エヌエヌ生命保険は3割増の647億円となったそうです。

 

新型コロナによる景気の悪化をにらみ、手元資金を手厚くしたい企業が増えたためだと分析しています。

 

日本生命保険など大手各社は2017年前後に、支払った保険料の大部分を解約時に受け取れる商品を発売。

こうした経営者保険は返戻金が利益扱いとなり、それに見合う損失を計上できるタイミングで解約しないと節税効果は出ないですが、コロナ禍の影響が出た4~6月は「解約する絶好のタイミング」(生保関係者)になったようだとしています。

 

保険を解約して当座の資金を確保する動きは個人向け保険でも出てきており、三井住友海上プライマリー生命保険は外貨建て保険の解約返戻金が前年同期比2.7倍の828億円になったそうです。

新型コロナの感染拡大で3~4月にドル円などの為替相場が乱高下し、外貨建て保険の円換算の価値が急変動したため、解約して資金を手元に置くことを選ぶ契約者が多かったようだとしています。

 

こうした解約の動きは現時点では貯蓄性が高い保険商品が中心。

掛け捨てで死亡時や病気になった場合に大きな保険金が得られる保障性の商品では、保険料の支払い猶予などの効果もあり、今のところ解約は限定的だとしています。

ただ家計の収入が今後大きく減れば、こうした保険にも解約の動きが広がる可能性もあり、そうなれば、家計のリスクへの備えが小さくなることになりかねないとしています。