月面探査ベンチャーに官民で50億円規模出資 (NHKニュースより)

官民ファンドの「産業革新機構」と政府系金融機関の「日本政策投資銀行」が、世界初の民間による月面探査レースに挑戦しているチーム「HAKUTO」の運営会社に50億円規模の出資を行う方針を固めたことがわかりました。宇宙ビジネスの開発競争が世界的に加速するなか、民間を後押しすることが狙いです。

関係者によりますと、「産業革新機構」と「日本政策投資銀行」が出資する方針を固めたのは、東京・港区に本社のある「ispace」です。
この会社は、アメリカのIT企業、グーグルなどが進める世界初の民間による月面探査レースに挑戦しているチーム「HAKUTO」を運営する会社で、将来的に月面での資源開発や地球から月への輸送事業などを目指しています。
会社側は、月面探査機の開発などにあてる資金を調達するため100億円規模の増資を計画していて、このうち半分程度にあたる50億円規模を「産業革新機構」と「日本政策投資銀行」が、月内にも出資する方針を固めたものです。

宇宙ビジネスの開発競争が世界的に加速し、日本が後れを取るなか、優れた研究者が革新的な事業を進めているとして民間の動きを後押しする狙いがあります。「ispace」に対しては国内の大手企業なども出資に応じる見通しで、ベンチャー企業に対する官民をあげた取り組みが宇宙ビジネスの拡大につながっていくことが期待されます。

宇宙ビジネスは新たなフロンティアとして国家をあげた開発競争が激しくなっています。ただ、日本はアメリカやヨーロッパに比べ、宇宙ビジネスへの参入が出遅れています。最近では、中国やインドも宇宙ビジネスの開発に力を入れていて、国益をかけた競争のなかで日本が取り残されるおそれすら指摘されています。

こうした事態を踏まえ、日本は去年、宇宙ビジネスへの民間企業の参入を促す「宇宙活動法」を制定。JAXA=宇宙航空研究開発機構がかかわる形でしかできなかったロケットの打ち上げが、国の許可を得られれば民間企業でも可能になったほか、打ち上げの失敗で発生する多額の損害のうち、保険で支払われない部分を国が補償する仕組みも整備しました。

さらに政府はことし5月に「宇宙産業ビジョン」を策定して国内の宇宙産業の市場規模を、2030年代の早い時期に倍増させる目標を掲げました。この中では、「宇宙ビジネスに投資できるリスクマネーが圧倒的に不足している」として、宇宙ビジネスに挑戦するベンチャー企業などに対し官民をあげたサポートを進めることが必要だとしています。