日本郵政、野村不動産を買収 (NHKニュースより)

日本郵政は収益力を高めるため、全国にある郵便局の土地などを有効活用して不動産事業を強化することにし、大手の野村不動産ホールディングスの買収に向けて本格的な検討に入ったことが明らかになりました。

◆日本郵政は収益力の強化が課題◆

日本郵政は、郵便業務や全国の郵便局を運営する日本郵便、銀行業務のゆうちょ銀行、保険業務のかんぽ生命の3社を傘下に置くグループの持ち株会社です。
平成15年に発足した日本郵政公社が、民営化の是非を問われた平成17年の衆議院の解散・総選挙のあと、平成19年に民営化されて設立されました。
株式は当初、政府が100%を保有していましたが、おととし11月に東京証券取引所に上場し、政府が保有する比率は去年9月末の時点で80%まで下がっています。
その一方で、郵便事業が少子化や人件費の上昇などで低迷しているほか、日銀のマイナス金利政策の影響でゆうちょ銀行が運用している国債の利息による収益が減っています。
さらに、海外事業の強化を目指しておととし、傘下の日本郵便を通じておよそ6200億円で買収したオーストラリアの物流最大手トール・ホールディングスの業績の低迷で、ことし3月のグループ全体の決算はおよそ4000億円の損失を計上することになり、平成19年の民営化後、初めて最終赤字に転落する見通しとなっています。
一方、政府が保有する日本郵政の株式について、政府は、東日本大震災の復興財源として早ければことし7月にも株式の一部を追加で売却をする計画ですが、上場以来、株価が伸び悩んでおり、収益力の強化が課題となっています。

◆日本郵政 2兆円超の不動産資産を保有◆

日本郵政は全国で保有する不動産の活用を進めています。
平成24年には、東京駅前の東京中央郵便局を商業施設などが入るビルとして再開発したほか、去年6月には名古屋駅前に新たな商業施設を開業するなど全国各地で複合ビルの建設や再開発を行っています。
ほかの不動産会社などとの共同事業として、東京都内や大阪、福岡などで分譲マンションの事業を手がけているほか、単独の事業として都内で賃貸住宅事業にも乗り出しています。また、全国に2万4000を超える郵便局を抱えるなど、国内で2兆円を超える規模の不動産の資産を保有していて、それをいかに有効に活用するかも課題となっています。

◆「プラウド」で知られる野村不動産◆

「プラウド」のブランドで知られるマンションを販売する野村不動産ホールディングスは、60年前の昭和32年に設立された野村不動産を中核とする持ち株会社です。
証券最大手、野村ホールディングスの不動産事業の持ち株会社として平成16年に設立され、野村ホールディングスがことし3月末の時点で33%余りの株式を保有しています。
野村不動産ホールディングスは、ことし3月期のグループの決算で売り上げは5696億円、最終利益は470億円で、おととし3月期時点の売り上げ規模では業界6位となっています。
また、グループの社員数はことし3月末時点でおよそ6400人となっています。
傘下の子会社には、野村不動産のほか投資家から集めた資金を不動産に投資して運用する野村不動産投資顧問もあります。
今回の買収は、野村不動産側にとっては、日本郵政がすでに全国各地の1等地などに持つ豊富な不動産を同じグループの立場として有効に活用できるメリットがあります。