損保各社 ITで自動車運転支援を開始! (毎日新聞から)

損害保険各社がIT(情報技術)を使った個人向け運転支援サービスに力を入れています。

 

自動車保険加入者の走行データを分析し、事故多発場所を通知したり、危険な運転に警告を発したりして、安全運転を促すもので、欧米では加入者の運転技能を保険料に反映させる自動車保険も販売されており、日本でも普及するか注目されています。

損保ジャパン日本興亜は4月から、通信機能付き車載ドライブレコーダーを活用した安全運転支援を、自動車保険のオプションサービスとして開始します。

 

衝突しそうな緊急時に警報音を発することなどで、事故回避を促し、運転後は「運転診断リポート」をまとめ、運転技能向上のトレーニングを促すこともするそうです。

 

同社は既にスマートフォンなどと連動した運転診断サービスを提供しており、法人向け加入者の事故率では平均に比べ約2割も低下したということです。

 

東京海上日動火災保険も4月からドライブレコーダーを活用したサービスを導入。

 

あいおいニッセイ同和損保は今年1月から、車に乗るだけで、持っているスマホのアプリが起動し、運転状況をチェックするサービスを試験的に始めました。
ITを使って運転特性を把握し、サービスに反映させる技術は「テレマティクス」と呼ばれ、事故や保険金の支払い軽減につながるとして注目されています。

 

欧米では「急ブレーキの回数」といった運転特性や走行距離を保険料の増減に結びつける「テレマ保険」も数年前から広がり、2020年には英米の自動車保険の約3割に達するとの予測もあります。

 

一方、運転特性に応じたテレマ保険を提供するのは、国内ではソニー損保のみで、大手損保は慎重な構え。

 

日本には欧米には無い「等級制度」が整備され、最高の20等級まで上がれば保険料が最大6割下がる優遇措置を取っており、「一段の値下げの余地は乏しい」(大手損保幹部)との声が強い。

 

運転に自信のあるドライバーが通常の保険からテレマ保険に大量にシフトした場合、事故率が高い高齢者や若年層の保険料を大幅に値上げせざるを得なくなり、「客離れが進む」との懸念もあるとしています。

 

このため、各社ともオプションサービスを通じて運行データを収集しつつ、本格的な商品の投入には二の足を踏んでいるのが実情のようです。

 

【キーワード】自動車保険の等級制度
無事故の期間に応じて保険料を割り引く制度。事故を起こすリスクに応じて料率を1~20等級に区分し、1年間無事故なら1等級上がって保険料が安くなる一方、事故を起こすと3等級下がって高くなる仕組み。
新規の契約は6等級か7等級からスタートし、無事故のまま20等級になれば最大63%の割引率が適用される。自費で修理をするなど保険を使わなければ、等級には影響しない。他社の自動車保険に切り替えても、等級はそのまま引き継がれる。
2012年には、事故を起こした契約者は等級が下がるだけでなく、同等級に比べて保険料が3年間割高になる制度改定も行われた。