役員賠償責任保険が急拡大

企業の役員が不祥事などで訴えられるリスクに備える会社役員賠償責任保険が急拡大していると報じられました。

 

損害保険大手4社では2018年度に契約件数が初めて1万件を超え、保険料収入は150億円程度と過去最高になる見通しだそうです。

 

2019年度の4倍近くに上り、売上高に相当する保険料収入は147億円で約6割増える見通しだそうです。

 

背景にあるのが経営判断のミスや不祥事によって訴えられるリスクの高まりです。

 

詐欺事件の被害に遭った積水ハウスに加え、元会長のカルロス・ゴーン被告を巡る一連の事件に揺れる日産自動車でも株主代表訴訟に至る可能性が取り沙汰されています。

 

近年はコーポレートガバナンス(企業統治)の強化や訴訟手数料の引き下げで、株主代表訴訟が活発。

 

高額化する賠償請求ではその金額が100億円超に上るケースもありますが、賠償が確定すれば役員個人ではとても払えない額になります。

 

ガバナンスの強化で、企業が社外取締役の採用を活発にしていることも影響しているそうです。

 

「優秀な社外取締役を招いて経営の監視を強めるには保険加入は最低条件。安心して経営に参画できる担保がなければ人材の確保は難しい」とも指摘されているそうです。

 

最近は不祥事だけでなく、セクハラやパワハラ、過重労働など労働紛争で担当役員らが訴えられるケースも増えています。

 

損保各社はこうした事案にも補償範囲を拡大しており、保険活用は企業経営の観点からも欠かせない要素になっているようです。