引き取り手のない遺骨 急増 (NHKニュースより)

1人で暮らす高齢者が増える中、亡くなった後に引き取り手がなく自治体が代わりに遺骨を引き取った件数が、首都圏の政令指定都市では、昨年度(平成28年度)合わせて1900件に上り、10年前の2倍近くに増えていることがわかりました。専門家はさらに単身の高齢者が増加するため、生前に対策を進める必要があると指摘しています。

1人で暮らす65歳以上の高齢者は、おととしの国勢調査で592万人と、10年前と比べて1.5倍に増加し、高齢者の6人に1人に上っています。こうした高齢者が亡くなり、引き受ける親族がいない場合、自治体が代わりに火葬などを行うことが法律で定められています。

NHKが首都圏の5つの政令指定都市を調べたところ、昨年度、自治体が引き取った遺骨は合わせておよそ1900件に上り、年間の引き取り件数は10年前の2倍近くに増えていることがわかりました。
昨年度の引き取り件数は、横浜市は1123件で10年前の1.7倍に、川崎市は318件で1.8倍に、千葉市は213件で2.5倍に、それぞれ増加したということです。これによって現在の遺骨の保管件数は、横浜市が4938件、川崎市が1748件、さいたま市が1505件などとなっているということです。自治体が負担する火葬費用も増え、千葉市では昨年度は少なくとも650万円余りに上り、10年前の1.6倍になっています。
京都女子大学の槇村久子客員研究員は「核家族化や未婚や離婚によって、身内がいない人が増えたことが背景にあり、亡くなった後の手続きを生前に決める仕組み作りを自治体を中心に急ぐ必要がある」と指摘しています。

千葉市では1人暮らしの高齢者から孤独死に対する不安の声が多く寄せられるようになり、対策を進めています。市が仲介役となって、頼る親族がいない市民に葬儀業者を紹介し、生前に葬儀や埋葬の方法を決めることで引き取り手のない遺骨を減らそうとしています。
千葉市地域包括ケア推進課の富田薫課長は「すべて行政で担うことはできないので地域ぐるみで市民を支えていく体制を作っていきたい」と話しています。