企業の従業員の喫煙を抑える取組み加速

企業が従業員の喫煙を抑える取り組みを加速していることが報じられました。

 

味の素グループは就業時間に喫煙するのを一切禁じます。

社内で認めない例は増えてきたが、社外での行動まで対象にするのは珍しい。

 

ファイザー日本法人はたばこを吸う人を採用しないことを決めました。

2020年に受動喫煙を防ぐための改正健康増進法が全面施行されるのを背景に禁煙を進めて生産性を上げ、採用でも優位に立つ狙いだ。

味の素はまず本社で2020年3月までに社の敷地から喫煙所を撤去し、就業時間内の喫煙を禁じます。

同7月までに工場を含む全事業所(グループ会社除く)で、屋内を全面禁煙とします。

対象はパート社員を含む全従業員約4000人で、18年度に17%だった従業員の喫煙率を20年度に12%まで下げることをめざします。

 

罰則はないが、就業時間であれば営業などで会社を離れる間もたばこは吸えません。

22年には国内グループ会社の全約1万1千人に対象を拡大するそうです。

 

米研究機関の調査では、喫煙者は体調への悪影響などから通常通り仕事をこなせなかったり、欠勤したりすることによる「生産性損失時間」が年に130時間に達すると試算されています。

非喫煙者より52時間長い。

 

喫煙者が病気になれば医療費もかさみ、財源の保険料の企業負担が増えます。

社員がたばこを吸うため頻繁に席を外すのも生産性を低下させることにつながります。

 

世界保健機関(WHO)が18年に公表した統計では、日本はたばこが主要国より安価なため男性の喫煙率は34%と、先進7カ国ではフランス(36%)に次ぐ高水準。

厚生労働省研究班の推計ではたばこが社会に及ぼす総損失額は15年度に1兆8000億円に達した。

 

帝国データバンクの17年の調査では、社内での喫煙を禁じた企業は、回答があった約1万社中、2割だった。遅れていた製造業ではリコーがすでに生産拠点やグループ会社で就業時間内の完全禁煙を実現、島津製作所も20年4月から始

めています。

 

ファイザー日本法人は19年度中に喫煙者をいなくする目標を立て、20年入社の人から喫煙者を採用しないことにしました。

 

広報担当者は、若い世代に受動喫煙を嫌う人も多く、人手不足のいま、禁煙の方針を他社よりも強く打ち出すことで、採用活動を有利に進められると説明しています。

 

業種の垣根を越えた連携も広がっており、4月には資生堂やオートバックスセブン、アフラック生命保険など約20社が「禁煙推進企業コンソーシアム」を立ち上げました。

 

ノウハウを共有、22年度までに社員の喫煙率をそれぞれ12%以下に下げる目標です。

 

実効性を高めるには、たばこをやめられない人への治療も欠かせない。

味の素は18年から禁煙支援プログラムを始めた。医師が指導して、オンライン診療の受診費用も助成する。約2カ月のプログラムで禁煙に成功すれば自己負担分の半額の5000円をキャッシュバックする。