ひょうリスク地図化 東京海上ビックデータ活用 (産経新聞より)

東京海上日動火災保険が気象などのビッグデータを使い、世界中のひょうが発生しやすい地域を特定する分析モデルを開発したことが23日、分かった。

ひょうは建物や農産物などに大きな被害をもたらしており、被害軽減に役立てる。

ひょう被害の詳細な実態把握や予測は困難とされていて、同社は「ひょうの被害リスクが解析できたのは初めてではないか」としている。

 

東京海上が開発した分析モデルは、人工衛星や各国の気象データ、地形データといったビッグデータを独自に解析して開発。ひょう被害の発生リスクを世界地図上に落とし込み、6段階に色分けした。地図を拡大することで、市町村レベルのリスクまで表示することができる。

この分析モデルで、ひょうが多いとされている米国南部やバングラデシュなどでリスクが高いことが再確認できたほか、アラビア半島沿岸部などでも高いことが新たに判明。日本でも、関東の一部や関西にひょうのリスクが高めの地域がみられた。

気象庁によると、ひょうは地表と上空の気温差が40度以上のときに発生しやすいとされる。しかし、レーダーの観測では雨とひょうは区別できない。落下して時間がたてば解けるため確認するには目視しかなく、過去の被害統計もない。

ただ、発生すれば被害は甚大だ。テニスボール大の氷の塊が落下し、被害額は数千億円に及ぶこともある。今年7月には東京都豊島区でJR駒込駅のホームの屋根をひょうが突き破る被害が発生。平成12年5月には千葉、茨城両県で直径約5センチのひょうが降り、農作物などに与えた被害総額は300億円を超えた。

 

日本損害保険協会によると、大型台風の保険金支払額は1千億円を超えるケースも多い。ひょうによる支払額のデータはないが、増えつつあるとみられる。

 

東京海上は、分析モデルで得た情報を10月以降に主要顧客の自動車メーカーに提供する方針。自動車メーカーは、屋外の広大な敷地に新車を保管している場合が多く、リスクが高い地域では防護ネットを張るなどの対策を促す。