平成30事務年度「金融行政方針」

平成30年9月26日に金融庁から「金融行政方針」が発表されました。

 

この「金融行政方針」は平成27年から発表されるようになりました。

 

金融庁が「処分庁」から「育成庁」に転換すると表明されてから、毎年発信されています。

 

この経緯については、平成30事務年度金融行政方針の「はじめに」を読むと理解できますので、「はじめに」を転記してみました。

 

ご確認ください。

 

『本年6月をもって、金融庁はその前身である金融監督庁の発足より数えて 20 年目の節目を迎 えた。

この間、我が国は二度の金融危機に直面した。

20 年前には、不良債権問題が深刻化し、 国内大手金融機関の破綻が相次いだ。

10 年前には、サブプライムローン問題を発端として、アメ リカ大手投資銀行が破綻し、これに連鎖してグローバルな金融危機が発生した。
二度の金融危機を含めたこの 20 年の経験から、様々な教訓を得た。

 

特に、
・ 金融システム全体の脆弱性を評価・分析し、システミック・リスクの顕在化の防止につなげる こと

・ 世界経済や世界の金融・資本市場の動向を幅広く把握し、我が国金融システムへの影響を 評価した上で検査・監督に取り組むとともに、国際的な金融システムの安定に向けて、当局間 で協調して対応するとともに、国際的なルールの策定に当たって積極的に意見発信すること

・ 金融面のイノベーションを、金融仲介機能や利用者利便の向上につなげていくよう取り組む とともに、そのリスクについても分析し、必要な対応を行うこと
・ 金融機関による金融仲介機能の発揮や健全性の確保を促していく上で、ガバナンスのあり 方や企業文化、そして経営管理の状況等についても実効性のあるモニタリングを行うこと

といった広い視点をもって金融行政に取り組んでいくことが重要であるとの大きな教訓を得た。
金融を巡る情勢は今後も急速に変化し続けることが予想されるが、こうした教訓も踏まえ、広 い視点をもって課題を先取りし、的確に政策を立案・実行する必要がある。その際、十分な現状 分析や実績評価、さらには改善策の立案といった、PDCA サイクルをより強く意識した業務運営 が求められる。
金融庁では、平成 27 事務年度より、金融行政が何を目指すかを明確にするとともに、その実 現に向け、いかなる方針で金融行政を行っていくかを、毎事務年度ごとに「金融行政方針」として 公表してきた。

 

この「金融行政方針」に基づく行政を実施するとともに、その進捗状況や実績は、 分析や問題提起と併せ、「金融レポート」として公表している。

レポートの内容は、翌事務年度の 金融行政方針に反映してきており、PDCA サイクルに基づく業務運営が定着してきている。

本事務年度においては、こうした平成 29 事務年度における金融行政方針の進捗状況や実績の評価、 現状分析及び問題提起と、平成 30 事務年度における金融行政の方針との関係性をより明確化 し、PDCA サイクルに基づく業務運営を強化する観点から、従来の金融レポートと金融行政方針 を統合し、一体として公表する。

本方針とそこに記載された施策の実行を通じて、行政の実効性、そして透明性を確保しつつ、 「金融育成庁」への動きを加速させ、金融行政の目標である企業・経済の持続的成長と安定的な 資産形成等による国民の厚生の増大の実現を目指していく。』

 

如何でしょうか。

 

分かりやすいですよね。

 

で、金融行政方針が発表されていますので、是非、プリントアウトして熟読してみて下さい。

 

因みに、「保険会社等」についての記述は次の通りになります。

 

保険会社については、国内保険市場の縮小の可能性や社会環境等の変化に伴う新たな保険ニーズの出現等、経営環境・リスクの変化が加速する中、顧客本位の業務運営を確保しつつ、変化に機動的に対応するリスク管理態勢及び持続可能なビジネスモデルを構築することが重要である。また、そのためにはガバナンスの機能発揮が必要であり、これらの観点からモニタリングを行う。

 

低金利環境の継続等により収益環境が厳しさを増す中、内外経済・市場の変動や自然災害の激甚化、サイバー攻撃による被害等の 新たな保険引受リスクの出現等、保険会社を取り巻くリスク変化が加速しており、これらに対応したリスク管理態勢等の構築が重要 

 

国内保険市場の縮小の可能性や、長寿化による医療・介護負担の増加、デジタライゼーションや自動運転技術の進展等に伴う新たな 保険ニーズの出現等、経営環境の変化に対応していくことが重要

 

貯蓄性保険(特に外貨建保険)の販売時における顧客への適切な情報提供に関するベストプラクティスの追求に向け、各社と対話

 

 ■リスク管理の高度化を促しつつ、経済価値ベースの資産負債評価の考え方を検査・監督に取り入れていくほか、自然災害等にかかる 保険引受リスクや資産運用の管理態勢についてのモニタリングを高度化

 

経営環境の変化に対応した持続可能なビジネスモデルの構築、経営全般にわたるガバナンス機能について、各社の経営陣等と対話』

 

金融育成庁としての機能を持つために大きく舵を切る金融庁は、モニタリングを積極的に展開しています。

 

保険代理店へのヒヤリングも積極的にされています。

 

せめて、社員一同の勉強会で、「金融行政方針を読む」といった内容も取り入れられたら如何でしょうか