大和市が認知症者の賠償責任保険加入 (毎日新聞より)

神奈川県大和市は、認知症の高齢者が徘徊(はいかい)中に踏切事故に遭うなどして家族が高額の損害賠償を求められた場合に対応するため、賠償金として最大3億円が支払われる保険に加入することを決めた。

30日開会の市議会に補正予算案を提案する。市によると、自治体が公費でこうした保険の契約をするのは全国初という。

認知症の高齢者の鉄道事故を巡っては、愛知県大府市で2007年、東海道線の列車にはねられて死亡した男性(当時91歳)の家族が、列車に遅れが生じたとしてJR東海から約720万円の損害賠償を求める訴えを起こされた。1、2審で家族に支払いが命じられ、社会問題化した。

最高裁は昨年3月、JR東海の請求を棄却したが、この訴訟を受けて大和市内の認知症高齢者の家族から「事故が起きると、どのくらいの責任を負うのか」という相談が市に寄せられた。

市内には小田急線や相鉄線など私鉄3社の8駅と32カ所の踏切があることから、市は不測の事態に備えるため、第三者に損害を負わせた場合に補償する個人賠償責任保険を公費で契約することにした。交通事故などで自らが死亡・負傷した場合の保険にも併せて加入する。

対象は、認知症による徘徊の可能性があり、市などでつくる「はいかい高齢者等SOSネットワーク」に登録した高齢者ら。7月末現在で237人が登録している。市は初年度分の保険料など323万円を補正予算案に盛り込む。

契約会社は入札で決定する。