国内主要生保、外債シフト鮮明に (日刊工業新聞より)

国内主要生命保険10社の2017年度下期(10月―18年3月)資産運用計画が26日までに出そろった。

上期に続き国債から外債への投資シフトが鮮明で、10社中9社が外債投資の拡大を計画。今春から販売が増えてきた外貨建て保険の好調も、外債投資を後押しする。インフラなど新分野の投資案件も増加傾向で、各社が目指す運用の高度化・多様化は順調に進んでいる。

 

【FRB利上げ】

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げによる為替ヘッジコストの増大、日米金利差拡大による円安進行観測から、各社は外国の国債や社債を買い増す計画。短期的には円安傾向の継続を見据え、円安になるほど収益が出るオープン(為替ヘッジなし)外債への投資が中心だ。

外貨建て保険が好調なことも外債投資拡大に結びついている。三井生命保険は、日本生命保険での外貨建て保険の販売本格化を踏まえ、外債を上期末に比べ1000億円以上増やす。明治安田生命保険は外貨建て保険として外債を2300億円積み増すもよう。

 

【国債離れ継続】

日銀の金融政策で長期金利がゼロ近傍に抑えられている中、国債投資のうまみは減少。各社のゆるやかな国債離れも継続している。円債の投資が「横ばい」の住友生命保険や大同生命保険も利回り追求ではなく、「適切なリスク管理のため国債を一定買い入れる」(住友生命の松本巌上席執行役員)考えからだ。

債券や株式とは異なる新たな投資も着実に増えている。特に景気変動に強いと言われるインフラ投資が活発だ。日生はインフラ関連を含む「成長・新規領域への投資」として、20年度までの4年間に1兆5000億円投融資する計画。17年度上期は約3700億円を投じており、目標を超えるペース。下期も「良い案件があれば勢いを落とさず投資する」(日生)方針だ。かんぽ生命保険は下期からインフラファンドへの投資を開始する。

 

【株価堅調な上昇】

国内株の運用方針はまちまちだが、日経平均株価の堅調上昇を受け、18年3月末時点の株価予想を引き上げる会社が多かった。日本株は短期的に過熱感が出ているが、為替の円安シフトや米国景気の拡大が材料になると見て大同生命と朝日生命保険が「増加」としている。「横ばい」の各社も市場をポジティブに展望している。

企業への融資は、低金利環境で企業の資金需要が低いため、ほぼ横ばい。不動産もほとんどが横ばいで、海外での不動産投資を再開する第一生命保険、東京・日本橋に新ビルが完成する太陽生命保険が増加となる。