スシローと元気寿司が統合へ (NHKニュースより)

回転ずしチェーン最大手の「スシロー」と、5位の「元気寿司」などが資本業務提携を結び、経営統合に向けて協議を始めることになりました。

発表によりますと、大阪・吹田市に本社を置く回転ずしチェーン最大手の「スシローグローバルホールディングス」と、栃木県宇都宮市に本社がある業界5位の「元気寿司」、その親会社でコメの卸売り大手の「神明」の3社が資本業務提携を結びました。
「神明」が「スシローグローバルホールディングス」の株式の32%余りをおよそ380億円で取得し、「スシロー」と「元気寿司」の経営統合の協議を始めるとしています。経営統合の時期や方法は今後協議していくとしています。

経営統合が実現すれば、売り上げの合計は1826億円となり、業界2位の「くら寿司」の1136億円を大きく引き離すことになります。
国内市場では、消費者の根強い低価格志向を受け激しい競争が続いているため、3社は経営統合による規模の拡大で事業基盤を固めるとともに、食材の調達や物流のコスト削減など効率化を進めるほか、海外への出店も加速させることにしています。

29日、都内で開いた記者会見で、「元気寿司」の法師人尚史社長は「食材の価格が、鮮魚のみならず全般にわたって高騰する中、統合で得られるスケールメリットは大きい。共同開発などで今まで以上の価値を提供できるようになる」と述べ、経営統合のメリットを強調しました。
また、「スシローグローバルホールディングス」の水留浩一社長は「今後は海外展開に力を注ぎたいと考えてきたが、すでに海外で多くの店舗をもつ元気寿司のノウハウがわれわれの助けになる。統合を実現させ、国内外で事業を大きく展開したい」と述べました。

低価格ですしを食べることができる回転ずしは家族連れを中心に人気を集め、その市場規模は拡大を続けています。民間の調査会社「富士経済」によりますと、去年の市場規模は6055億円と、平成28年までの5年間で1000億円余り増え、ことしは6250億円になると見込まれています。
消費者の根強い節約志向を背景に回転ずしは今後も市場の拡大が見込まれ、大手5社を中心に競争は激しさを増しています。
最近の売り上げ規模で見ると、最大手は「スシロー」を展開する「スシローグローバルホールディングス」で1477億円。2位が「くら寿司」を展開する「くらコーポレーション」で1136億円。3位が「ゼンショーホールディングス」の傘下にある「はま寿司」で1090億円。4位が「かっぱ寿司」を展開する「カッパ・クリエイト」で794億円。「元気寿司」が349億円となっています。「スシロー」と「元気寿司」の経営統合が実現すれば、売り上げの合計は1826億円となり、2位の「くら寿司」の1136億円を大きく引き離すことになります。

回転ずしチェーン各社はファミリーレストランやファストフードなどほかの外食チェーンとの競争も激しくなっているため、新たなメニューの開発など特徴のある経営に取り組んでいます。
スシローは子どもから大人まで家族で食事を楽しめるようにとパフェやケーキといったデザートのほか、魚介類のだしをきかせたラーメンといったサイドメニューの充実に取り組んでいます。
また「くら寿司」は、消費者の健康志向に対応していわゆる「しゃり」の代わりに大根の酢漬けを使ったコメを使わないすしの販売も始めています。
「かっぱ寿司」は昼すぎから夕方の間、一部の店舗ですしの食べ放題サービスを行っていて、お客の少ない時間帯に来店客を増やす取り組みを進めています。
「元気寿司」は和食への関心が高まっている海外への出店を積極的に進めていて319店舗の半数以上の167店舗がアジアやアメリカなど海外の店舗です。

こうした競争が激化する一方で、すしのネタになる魚などの価格上昇や、人手不足による人件費や物流コストの上昇が、共通の経営課題となっています。今回の再編に向けた動きも、規模の拡大によるコストの削減が狙いの1つで、経営統合に向けた協議がほかの企業にどのような影響を与えるのか、注目されます。